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派遣先での“いじめ”


良いお歳をした社会人が…

「子供ならまだしも、社会人になったというのにいじめをする人なんかいるのだろうか?」職場に恵まれた方はそう思うかもしれません。

ですが、職場にも色々あるもので、実際に“良いお歳をした同僚や上司”からいじめを受ける被害に遭っている派遣スタッフもいるのです。契約によっては複数の職場を移る可能性の高い派遣ですから、いじめがある職場に遭遇する確率はやや高めと言えるかもしれません。

万が一、職場でいじめのトラブルに巻き込まれてしまった時、派遣スタッフとしては、労働基準法や労働者派遣法で保護されている、適切な環境で働くための様々な権利や、派遣会社の担当者が守ってくれることに期待したいものです。

しかし、法律を根拠にに派遣先へ抗議しても、「いじめの事実はない」の一点張りを決め込まれれば対処のしようがありません。さらに、反感を買って理不尽な中途解約を申し出られる可能性を考えると、なかなか言いにくいという面もあるでしょう。

また、派遣会社の担当者も、派遣先からの仕事を失うようなことはできませんから、強く抗議することはしないでしょう。また、運悪くいい加減な担当者に当たってしまえば、のらりくらりと話を交わされて、まったく対応をしてくれない、などという可能性もあります。

法律や派遣会社が派遣スタッフを守ってくれる名目にはなっていますが、立場の違いや派遣会社の担当者の質によっては、法律や建て前だけでは何の解決の糸口にもならないこともあるわけです。

ある職場でのいじめの顛末

ここでお話しするのは、ある派遣社員の方が派遣先の職場で受けたいじめのお話です。裁判に訴える場合などを除けば、このような例が最も善処できたケースの一つだと思います。

いじめを受けたのは、事務として派遣されていたDさんというある女性。Dさんは、派遣会社から高いスキルを持っていると信頼されていた方で、得意先の会社へ事務として自信を持って送り出されました。

ところが、数週間も経つと派遣先から派遣会社に「仕事ができなくて困る」というクレームが入りました。派遣会社としては、これまでの派遣先での評価も高く、経験もあるDさんにこのようなクレームがくるとは想像もしていなかったので、Dさんに聞き取り調査を行いました。すると、Dさんに対する理不尽ないじめが原因にあることがわかりました。

Dさんが覚え始めの作業に追われている時に、ベテランの女性社員から大量の雑務を頼まれたのですが、どうしても手が離せずに断ったところ、その女性社員の機嫌を損ねてしまったらしく、「Dさんは仕事ができなくて困る」という嘘を、上司に吹き込んでいたようなのです。

また、運が悪いことに業務の流れ上、Dさんの仕事の報告がこの女性社員から上司にまわるシステムだったために、実際に現場を見ていなかった上司にとっては、Dさんはただスキルが低い派遣社員としか伝わっていなかったのです。

事情を聞いた担当者は、派遣先の上司や担当者に報告すると共に、その後の対応を協議した結果、Dさんは中途解約とし、派遣先から解雇手当を支払ってもらうことに落ち着きました。また、Dさんには他の仕事が紹介されたということです。

いじめトラブルの落としどころ

以上のDさんの例を見て、どうお感じになったでしょうか?「まあ、妥当な着地点かな」と納得する方もいれば、「いじめの被害者なのに、なぜ仕事を辞めないといけないの?」と憤りを感じる方もいらっしゃると思います。

現場の実情を考えた場合、Dさんの例は、派遣会社の担当者が派遣先に掛け合ってくれたことや、派遣先が解雇手当の支給に応じたことなどを鑑みると、いじめトラブルの落としどころとしては、かなりマシなものなのではないかと思います。

「派遣先がいじめの事実を認めたくないために、部署や会社ぐるみでいじめの事実を隠蔽して、派遣スタッフをクレーマー扱いするような派遣先」「派遣会社の担当者に相談を繰り返しても対応してくれず、精神的に疲れきって体調を崩して休業に追い込まれた」そんな場合もあり得ることを考えると、Dさんの例の解決策は妥当な線だと言わざるを得ません。

では、派遣先でいじめの被害に遭い、派遣先や派遣元が誠実な対応をしてくれなかった場合、派遣先ににいじめの事実を認めさせ、派遣会社に休業補償をしてもらうなどの解決を見るには、どのようなことをすれば良いのでしょうか。

まず、いじめの事実を明らかにするために、受けた被害とその日付・時刻などを記録しておくことです。いじめの事実を記録しておくことで、関係者やユニオン、労働局などに相談する際に、被害を裏付ける重要な証拠となります。

そして、担当者や派遣先に相談した際の対応についても、同じように詳細に記録しておきます。これも、ユニオンや労働局に相談する際に役立つと同時に、万が一裁判になった場合にも証拠として有効です。

できれば、事を荒立てなくて済むよう、派遣先の現場の上司や派遣会社の担当者の対応に期待したいところですが、運悪く悪質な派遣先や担当者に当たってしまった場合のことも考えて、以上の二点を記録しておくことは覚えておいてください。

また、言葉の上での多少の嫌がらせなどの比較的軽いいじめは、お客様の飼い犬が吠えるのと同じだと思って、笑って受け流すスキルも重要です。“良いお歳を召したいじめっ子さん”たちとは、あまり関わり合いにならないのがベストです。

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