特定行為が禁止なワケ

労働者派遣法では、「労働者派遣」を次のように定義しています。
「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。」
要約すると、雇用関係にある者を、他人(派遣先)の下で働かせるものの内、その他人と労働者の間に雇用関係のないもの、となります。派遣会社と派遣スタッフの間に雇用関係があり、仕事の現場である派遣先との間には雇用関係がない、これが労働者派遣というわけです。
労働者派遣は、基本的にはサービス業に当たるものです。派遣会社は、派遣先からの要望に応え、求められるスキルを持ったスタッフを派遣します。
このシステムは、形さえ違えど電気や電話回線の工事を頼んだり、水回りの点検や修理を依頼するのと同じ構図です。サービス会社は、一定の技術を持った作業員をお客さんの下に向かわせ、作業員はそこで工事や修理を行います。
このような一般的なサービス業の場合、客が作業員の性別や年齢その他に注文をつけることはできません。これと同じように、サービス業である労働者派遣では、派遣先の企業が派遣スタッフを特定するような行為をすることはできません。
サービス業の場合、派遣された作業員や派遣スタッフが、求められる一定の技術を持っていなければならないという責任は、その人材を派遣するサービス業の事業者にあります。労働者派遣で言えば、派遣したスタッフに仕事をこなせる技能があるかどうかの責任は、スタッフを選別して派遣した派遣会社にあるわけです。
実際には派遣先による事前面接が横行している派遣ですが、そのようなスタッフを特定する行為が労働者派遣法で禁止されている理由の一つは、以上のように、人材派遣がサービス業であるという定義に基づく問題もあるというわけです。
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