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(5)法律上の規定


派遣は、労働基準法のみではなく、「労働者派遣法」という独自の法律によっても規定されています。このことからも、派遣は正社員や契約社員、アルバイトなどの雇用形態の延長線上にある曖昧な存在ではなく、独自の法律によって規定がなされている雇用・就業形態だということが分かります。

労働者派遣法に規定されている内容は、以下の通りです。

(i)派遣先・派遣元事業者についての規定

まず、派遣労働者に仕事を紹介して派遣する“派遣元”について、以下のような内容の規定がなされています。

・派遣労働者に対して就業規則を明示する。
・派遣労働者が派遣先で不当に扱われないよう対処する。
・派遣労働者の保険加入や福祉について善処する。
・派遣労働者や関係者に、関係法令を周知させる。
・派遣労働者の個人情報を保護する。
など

また、派遣元から派遣労働者を受け入れ、実際の仕事について監督をする“派遣先”についても、以下のような規定が記されています。

・派遣労働者に対して就業規則・条件を明示する。
・派遣労働者に対して性別による差別を行わない。
・派遣労働者の保険加入について善処する。
・派遣期間を厳守する。
など

実際にはより細かい規定がありますが、かいつまむと以上のような内容になります。

(ii)派遣期間について

派遣は、正社員だけで業務をこなしきれいない場合の補完という考え方の元に規定されています。ですから、何年間にも渡って長期に派遣労働者を受け入れることは、正社員の雇用を阻害する要素とも考えられています。

そのため、労働者派遣法では、派遣期間についても規定がなされています。職種によっても違いがありますが、専門的26業務に属さない“自由化業務”の派遣契約期間は3年間を超えてはいけません。また、3年の契約期間が満了した後も、同じ部署の同じ業務についてさらに契約を更新したり新規契約を結ぶこともできません。逆に、部署や業務内容が違っていれば、同じ派遣先企業でも続けて契約を結ぶことは可能になります。

また、以下の“専門的26業務”については派遣期間の制限はありません。

専門的26業務
事務系 事務用機器(OA)操作、通訳、翻訳、速記、秘書、ファイリング、財務処理、取引文書業務、事業の実施体制企画・立案
マスコミ系 放送番組等演出、書籍等の制作・編集、広告デザイン、インテリアコーディネーター、アナウンサー、セールスエンジニア
技術系 ソフトウェア開発、機械設計、放送機器等操作、研究開発OAインストラクション、放送番組等における大道具・小道具
その他 調査、デモンストレーション、添乗、建築物清掃、建築設備運転、点検、整備、案内・受付、駐車場管理、テレマーケティング

専門的と冠されてはいますが、中には事務の一般的な業務なども含まれているため、実質的には一般事務などの業務でも契約期間に制限はないことになります。

(iii)給与について

派遣労働者の雇用元は、派遣元である派遣会社です。給与も派遣元から支払われます。

そして、給与の支払については労働基準法にある通り、「通貨で支払う」「労働者に直接支払う」「全額を支払う」「最低月一回支払う」「一定日に支払う」という五つの原則が適用されれ、雇用元である派遣会社の義務とされています。

(iv)就業時間・休日・解約について

派遣労働者の就業時間は、雇用契約や派遣元の就業規則に則って決められます。ですから、派遣先だけの独自の判断で時間外業務や休日出勤などを求めることはできません。

また、派遣労働者も適切に有給休暇を取得できることや、派遣期間中に派遣先の独断で中途解約することができないことなども規定されています。

以上のように、雇用関係が派遣元、派遣先、派遣労働者の三者に渡って複雑になる派遣についても、労働者の権利が適切に守られるよう、労働者派遣法によって労働条件や期間などについて規定がされています。

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